7人が本棚に入れています
本棚に追加
───in奏音神社
「お母様…」
奏音神社の一室、ランの部屋に、サンは来ていた。
あのあと、担任が気を利かせ、早退させてくれた。
母の亡骸を前に立ち竦む、サン。
「お母様…
何故です…」
サンは、その場に崩れた。涙が、サンの目から溢れ出す。
「お父様は…?
こんな時に、お父様は、何処に居るのだ!?」
サンは、怒りに畳を殴った。
「お母様…
お父様は…貴女の傍に、居られなかったのですね…」
サンは、白い布を取って、母の顔を見た。
透けるほどに白く、細い顔。
その頬に触れると、その冷たさに、更に涙が出た。
「私が傍に居ても…ッ!!
何の意味もないというのに…!!」
最初のコメントを投稿しよう!