第壱話 弔歌-トムライウタ-

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───in奏音神社 「お母様…」 奏音神社の一室、ランの部屋に、サンは来ていた。 あのあと、担任が気を利かせ、早退させてくれた。 母の亡骸を前に立ち竦む、サン。 「お母様… 何故です…」 サンは、その場に崩れた。涙が、サンの目から溢れ出す。 「お父様は…? こんな時に、お父様は、何処に居るのだ!?」 サンは、怒りに畳を殴った。 「お母様… お父様は…貴女の傍に、居られなかったのですね…」 サンは、白い布を取って、母の顔を見た。 透けるほどに白く、細い顔。 その頬に触れると、その冷たさに、更に涙が出た。 「私が傍に居ても…ッ!! 何の意味もないというのに…!!」
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