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No.1「それぞれの出会い、そして想い」其の壱
「失礼しました」
そう言って頭を下げ、部屋を出た
時計を見ると、長針は11時を指そうとしていた。
「もうこんな時間か」
そう独りでに呟いた。と同時に肩、いや体全体の力が抜けた。緊張の糸が切れたといっても良い。
「はぁ~、怖かった…」
本当に生きた心地がしなかった。それほどまでに、今日一日で一生分の神経を注いだといってもよい。背後にあるドアをもう一度振り返る。
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