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僕は亮太の手を引きながら、まっすぐに目的地を目指した。今となっては、最後に亮太を彼の両親に会わせることができなくなってしまったことに胸が痛んだ。
あんなことさえ起きなければ、明日の朝を待って出発する予定だった。だが、このままでは亮太は犯罪者として逮捕されてしまう。だからこのまま約束の場所まで行くしかないのだ。
「健一君、もう家には帰れないんだよね?」
僕は亮太に顔を向け、黙って頷くことしかできなかった。
「僕があいつを燃やしたからだよね」
パイロキネシスという言葉は知っていた。だが自分の目でその瞬間を見るのは初めてだった。
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