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「その誰かが、もし 自分を斬った河上彦斎だったとしら…追いかけちゃうのも無理ありませんよねぇ…」
山崎さんもせっかちすぎるんですよ。と笑った。
またひとつ、欠伸。
「…考えを変えるつもりは無えよ。総司、咲月の処分は朝イチで決めっから…寝坊すんじゃねえぞ。他の隊士達にも伝えといてくれ」
「……拉致があきませんね、僕はもう寝ます。土方さんは 処分よりも朝イチで謝った方がいいんじゃないんですか。それじゃあ…おやすみなさい」
踵を返すと、足音もたてずに部屋へと戻っていく。
その後ろ姿に 問いかけた。
「お前はどっちの味方なんだ」
沖田は顔だけ振り返って答えた。
「分かりきったことを聞かないで下さいよ…勿論新撰組の味方に決まってるじゃないですか。"貴方"ではなく"新撰組"の、ね」
また歩を進めながら、続ける。
「その髪の結い方、朝までに何とかしておいて下さいねー」
スッ と自室に入ると襖を閉めた。
それを静かに見送る。
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