脱退

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髪を触ってみると、ぐちゃぐちゃなうえに 縛る位置が意図何時もより確実に低かった。 「初めてだったのでヘボいですけど」…笑った咲月を思い出す。 「ヘボすぎんだよ…阿保が」 なんで、こうも上手くいかないのだろう。 土方は、襖越しではなくなった月を見上げた。 此方の心情を図らず、月は相変わらず綺麗だった。 ーーーーーー 「……」 天井の木目を穴が空くほど見つめる。 ただ黙って…無心になろうとするが………。 「処分……かあ」 俺は布団に顔を埋めた。 …やっぱ駄目だ。 どうしても"処分"という言葉が頭から離れない。 『お前の処分は朝イチで決める』 『部屋に戻れ、一歩も出るんじゃねえぞ』 先程言われた台詞が頭の中で自動再生される。 んだよ…堅物め。 ?
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