5人が本棚に入れています
本棚に追加
「土方さんの馬鹿…」
何度呟いただろうその名前を再び呟く。
部屋に戻った後は、不貞寝を決め込んだのだが…なかなか眠れない。
処分………何されんだろ 俺。
やっぱり殺されるのか?
この時代といったら、なんだろ。
…切腹?
それは流石にちょっと…。
拷問…も御免だ、痛いし。
斬首と考えた瞬間、河上に首を狙われた時のことを思い出した。
もし吉田があの時助けてくれなかったら…俺はどうなっていただろう。
……考えたくもない。
「……死にたくねえなあ」
手で頭を覆い、目を閉じた。
「そんなに死にたくない?」
突然した声。
驚いて手をどけると、俺の顔を一匹の黒猫が見下ろしていた。
「へ…ね、猫?」
あれ…?今、確かに声がしたはず…。
ーしかも……アイツにそっくりな……。
.
最初のコメントを投稿しよう!