1人が本棚に入れています
本棚に追加
カチ、カチ、カチ、カチ、――
冷たい、機械の心。
他と同じ、既製品。
問題のない、行動。
確かに、社会から見れば素晴らしいだろう。
それでも、白い少女は、どんなに欠陥品と嘆くようでも、陶磁器よりも脆くとも、黒い少女の暖かな心を選ぶ。
だから白い少女は、黒い少女にそれを手放してほしくはなかった。
大好きな人に、大好きな人自身を殺してなんか、されたくなかった。
「そうね。それでも歯車になりたいなら、私のものになりなさい。私のためだけに動く歯車に」
黒い少女は、紅に薫る顔を俯かせて、見えるか見えないかくらいで頷いた。そして、支えを求めて、白い少女に縋りつく。
最初のコメントを投稿しよう!