エピローグ

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キラキラと輝く海が、車の中に 心地いい風を運んで来る。 私は秋山さんにつけてもらったブレスレットを 眺めながら、風に吹かれていた。 「…結衣ちゃん… ゆっくりでいいから… 少しずつ、一緒に歩いて行こう」 秋山さんの言葉に、私は頷く。 色々あったけれど… 本当は私も秋山さんがずっと好きだった事に 今更ながら気づいた…。 恵一の事も、もちろん 苦しいくらい好きだったけれど… 辛い時、悲しい時、 私が思い浮かべるのはいつも秋山さんだった気がする。 初めての恋は、思い通りに気持ちを伝えられなくて いつも臆病だった私だったけど… 私のダメなところも 弱いところも… 全部解って受け止めてくれる秋山さんに 今度こそ素直にぶつかって行こう…。 「…あのね…」 私は秋山さんの横顔に話しかけた。 「ん?」 振り向いて秋山さんが笑う。 「…ホントは私、 ずっと秋山さんが好き だったみたい…」 ニコっと笑って秋山さんが言った。 「知ってたよ…ずっと前からね」 --------END--------
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