プロローグ

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「佐伯ー!待っててくれたの??」 もう付き合い始めて2年も経ってるのに、 佐伯君を名前で呼ばず苗字で呼んでる所が なんとなくこの二人の上下関係を表現しているようだ。 「姫を待ってなかったら、あとでぶっ飛ばされそうだからね」 ニコニコしながら佐伯君が言うと 「あん??」 と冷ややかな目線で真理が言う。 毎度の事だけど、この二人は 本当に仲がいいカップルだなぁと 私は羨ましく思う。 真理が不機嫌な目線を送ると同時に 佐伯君は、 「姫、今日はチョコパフェでも食って帰りますか?」 と真理を食べ物で釣る。 キラーンと言わんばかりのうるうるした目で真理は 「行く!!!!」 と即答していた。 「結衣ちゃんも一緒に行こうよ」 佐伯君はいつも私に気をつかって誘ってくれる。 「うんうん!一緒に行こうよ!!」 真理もいつもこう言って誘ってくれる。 この二人と一緒にいても べたべたしてる事を見たことがない。 だからいつもは遠慮せずに参加させてもらうのだけど 今日は私は夏休み中にバイトしようと思っているスーパーの面接なのだ。 「今日は明日からのバイトの面接だから遠慮しとくよ。 二人で楽しんで来てね!うふふふ」 と意味ありげに微笑むと 「あはははは!!!」 と真理が大口を開けながら 佐伯君の背中をバシバシ叩いて笑った。 「じゃまた休み中、メールするね!」 そう言って私は自転車をこいで 学校を出た。
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