もっち×りょうすけ

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もっち×りょうすけ

今日で僕たちは 付き合って丁度3年目。 そして丁度3年前のおはなし。 そもそも僕と持地には あんまり接点がなかった。 性格がまるで正反対だから、 もっちは頭は僕に負けてるだろうけど(自称) 顔は男っぽくてかっこいい、 しかもハキハキしてるし人気者... そんな彼に恋心をよせていた。 それに対して 僕は小さくて暗くて かっこいいよりも"可愛い"があってる と皆口を揃えて言う 実際可愛いとか嬉しくない..。 そんな自分がなんとなく嫌いだった。 帰りのホームルームが終わり 帰ろうとひとり教室を出た。 今日はいつも一緒に帰ってる友達が インフルエンザに食われて 一人で帰る羽目になってしまった。 とぼとぼとうるさい廊下を抜け 靴箱を開けて気づいた。 靴が、ない。 『…はぁ…』 "またか"と大きなため息をついて 靴を探す探す探す探す ない… 最近流行ってるらしい。 靴を隠して遊ぶゲーム 僕はいじられキャラだし丁度よかったのだろう。 何回か標的になったけど いじめじゃ無いからべつに悲しくも怒りも湧いてこなかった。 寧ろおふざけで楽しかった。 でも今日は急いでいて 無性に腹が立った。 「タイミング悪いんだよ...」 ぶつぶつ文句をいいながら 靴を探してて30分そろそろ日が傾きかけていた。 ...諦めて上靴で帰ろう。 「りょうすけどーしたの?」 いきなり呼ばれビックリして後ろを向くと 持地が心配そうな顔で立っていた。 その後ろの柱に隠れるように クラスメイトの女子数名がこそこそこちらを伺っていた。 ....? 探してるのってこれ? と探していた靴を優しく渡してくれた。 なんで持ってるの?とか 優しい..とか考えを巡らしてる内に なぜか急にみじめな気がしてきて恥ずかしくなった。 僕は『ありがとう』と言葉を置いて 走って帰ってしまった。 正門を抜け横断歩道を渡り 誰もいない道を走り抜け帰路についた。 息を弾ませキョロキョロと来た道を見渡した 『よかった持地いないや…って当たり前か。』 『ああ。悪いことしたな…』 急に罪悪感が込み上げて来た。 とぼとぼと帰り道を歩いた。 明日あやま... どすっ (!?) NEXT→
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