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「ん、お茶。」
『あ、ありがとう…』
ホントに来ちゃったよ…
ぐるりと部屋を見回して
お茶を一口含ませた
男子の部屋にしては
整理整頓されててきれいだった。
本棚にはサッカーの本や難しそうな本が並んでいた。
やっぱサッカーすきなんだな
まぁ持地は上手いし…
サッカーをしている持地は
ダントツにかっこいい。
そんなかっこいい持地が僕は好き。
ふふと含み笑いをしていると
いつの間にか持地が横に、ベッドに座っていた。
着替えをしてきたみたいだ。
長袖の青い色の日本代表のユニフォームに
黒の半ズボン。ああ、かっこいい。
「りょうすけってさ」
『…?』
「今好きなひととかはいるの…?
…ぁ、いや居なければいいんだ!」
思いがけない一言に目を丸くした。
え…うぇ!?
"持地だよ"なんて絶対いえないし。←
て言うかなんでだろ…?
戸惑いを隠せない僕。
もしかしたら…もしかしたらだけど
持地の好きな女の子の話をされるかも
そうおもったら不意に胸が痛くなった。
持地はお茶を飲みながら
「俺さ、好きなひといるんだけど…」
いつもの苦笑い。
その顔が逆に辛かった
あぁ…やっぱり。
持地はどうしようかなとかいや…
とかぶつぶつ独り言を言っていた。
暫くの沈黙のあと
急にもっちはよし!と自分の頬を叩いた。
恥ずかしそうに僕の目をまっすぐ見つめて。
「ぁ、あの!俺すきなんだ…りょうすけが。」
…
ふぇ?
友達として?
いやでも会話の流れ的に考えると…
な………ぇ…?嘘
…夢?
自分の頬をつねって確める。
痛い…
痛いよ…
きっと夢じゃあ、ない。
いい意味で期待を裏切られた僕の頭の中は喜びと驚きでごちゃごちゃだった。
自分の身体と顔の温度が
ぐんぐんあがったのがはっきりと分かった。
「俺じゃダメかな…」
ぼうとしている僕に持地が心配そうに言った。
『ふぁ…!?ちが…』
頭をぶんぶんと振る。違うよ!
『えっとえっと僕男だよ。それに…』
僕は釣り合わない、きっと。
『釣り合わないよぅ…』
今にも涙が溢れそうな瞳で
持地をみた。ああ泣いちゃだめだ…
「え…何いってんの…?へんなの。」
持地はそう言って申し訳なさげに
僕を抱き締めた。
持地の心臓に耳にを当てた
鼓動が心地よい。少し速くて温かい。
なぜか今なら自分の心の内に秘めているものを
言葉にできる気がした。
すきだ。と言ってしまおう。
両想いなのだから怖くない。
『持地あのね…?
MEXT→
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