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「私は……
いつも笑ってて、自分を作ってる。
そうすれば…一人じゃないから…。
人に嫌われるのが怖いから、誰にでも同じような笑顔を向けちゃうんだよね。
でも、それで本当に私のことを大切に思ってくれる友達なんてできない。
こんな……空っぽな私…」
ざぁっと風が吹き、荒れる髪を手で押さえながら彼女の言葉の意味を考えた。
確かに、私は彼女のへらへらとした笑顔があまり好ましくなかった。
でも、それは彼女にとっても好きなところではなくて、むしろ思い悩んでいることだったのだ。
彼女も…また…
人と本当に関わるのを避けるために、そうしたのかもしれない。
「だから、華山さんのことすごいって思ってたの。
私とは正反対で、強くて、凛々しいあなたのことが……
うらやましかった」
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