か弱き者たち

3/19
前へ
/21ページ
次へ
『怖い』と言われてしまうのも無理ないと思う。 なぜなら私自身、意識して話しかけるなというオーラを出しているからだ。 それらの言葉を聞こえないふりをしてページをめくると、 「おっはよー!」 という明るい声が教室に響いた。 いつもの事なので、私は気にせず本に目を落とすが… 「おはよ、華山さん!」 彼女は私の机の前に来て名指しで挨拶をしてくる。 無視するわけにもいかないので、本から目を離さずに 「おはよう」 と返すと、それだけでも彼女は満足そうに他の女子のグループへと向かった。 これも、いつものこと。 彼女―森野鈴(もりのりん)―は一体何を考えているのだろうか?
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加