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『怖い』と言われてしまうのも無理ないと思う。
なぜなら私自身、意識して話しかけるなというオーラを出しているからだ。
それらの言葉を聞こえないふりをしてページをめくると、
「おっはよー!」
という明るい声が教室に響いた。
いつもの事なので、私は気にせず本に目を落とすが…
「おはよ、華山さん!」
彼女は私の机の前に来て名指しで挨拶をしてくる。
無視するわけにもいかないので、本から目を離さずに
「おはよう」
と返すと、それだけでも彼女は満足そうに他の女子のグループへと向かった。
これも、いつものこと。
彼女―森野鈴(もりのりん)―は一体何を考えているのだろうか?
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