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――
キーンコーンカーンコーン……
一日の授業を終え、帰宅部の私はそのまま下校した。
いつも通りガードレールを抜け、公園を横切り、家まで10分歩く。
学校の中では一番下校の時間が短いだろう。
「ただいま」
誰もいないと分かりきっている部屋に一言吐き捨て、自室のベットに倒れこんだ。
両親は共働きで、兄弟もいない。
いつも帰ってくると、広い家には私だけだ。
でもこれが私の『普通』。
森野さんと挨拶を交わさなければ、しゃべり方すら忘れてしまっていたかもしれない。
ベットから起き上がり、参考書を開いた。
これから夕食を用意し、お風呂に入って、また勉強。それから就寝。
毎日がその単純な繰り返し。
今日もまた、私はベットにもぐりこんだ。
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