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―― 次の日。
「おっはよー」
森野さんの声を聴きながら私はページをめくる。
「おはよう、華山さん!」
「…おはよう」
いつもなら、これ以上言葉を交わすことはなかった。
しかし…
「あの……何読んでるの?」
今日は違った。
彼女は私の読んでいる本を指差し、ニコニコと笑いながら腰をかがめている。
「歴史書……だけど…」
「そうなんだ!なんだか難しそうだね」
「まぁ……用はそれだけ?」
つい口からきつい言葉が出てしまった。
これ以上彼女と話しても何のメリットもない、
と思ってしまったのがつい表に出てしまった。
泣かれたりしたら面倒だな…
と思いながら彼女の顔を見てみたが、
相変わらず彼女はニコニコと笑っている。
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