プロローグ チカエ編

5/5
26人が本棚に入れています
本棚に追加
/396ページ
 そんなこんなで、夏休みのとある日、私とオミトは字國市へと出掛けることになった。  本当はもう一人友達を連れて行きたかったのだけど、用事があるとかで無理だった。残念。    ということは、だ。  こ、これはもしや、オ、オミトと、初めての旅行になるのではないか?    デートすらまともにしたことがない。  というか、そもそも付き合ってすらいない彼と、デートを通り越して小旅行。  あ、やっべ、鼻血吹き出しそう。    そんな興奮に胸を躍らせる私の眼中に、最早館長の存在は無に等しかった。  え、館長?なにそれおいしいの?  というか、図書館を離れる以上、彼は私にとって館長でも何でもないのだ。      恐ろしい程の胸の高まりに身悶えしそうになりつつ、私達は字國市へと出発したのだった。
/396ページ

最初のコメントを投稿しよう!