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そんなこんなで、夏休みのとある日、私とオミトは字國市へと出掛けることになった。
本当はもう一人友達を連れて行きたかったのだけど、用事があるとかで無理だった。残念。
ということは、だ。
こ、これはもしや、オ、オミトと、初めての旅行になるのではないか?
デートすらまともにしたことがない。
というか、そもそも付き合ってすらいない彼と、デートを通り越して小旅行。
あ、やっべ、鼻血吹き出しそう。
そんな興奮に胸を躍らせる私の眼中に、最早館長の存在は無に等しかった。
え、館長?なにそれおいしいの?
というか、図書館を離れる以上、彼は私にとって館長でも何でもないのだ。
恐ろしい程の胸の高まりに身悶えしそうになりつつ、私達は字國市へと出発したのだった。
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