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「第5棟8番西階段6階踊り場。」 「え…」 そこは私と宗形が会った場所。 「行ったんだ。コハク」 目を逸らしてしまいたくなるほどの視線。 いつもはあんなに明るいちぃなのに。 宗形操糸って一体何者なの……。 「ちぃがちゃんと止めていれば……くそ!あ・い・つ!!」 ちぃが怒りに任せて枕を床に叩きつける。 その力のあまり床に触れた途端あえなく破裂した枕からは真っ白な羽が溢れ、この空気を包んだ。 「あいつと、なにを話した!!」 怒り狂ったように叫ぶちぃ。 その怒りは自分に向けられたものではないと、分かった。 「なにも……自己紹介とかしかしてないよ」 本当のことだ。 「はぁ、はぁ、なら、いい。ふぅ…」 ちぃが肩で息をして周りを舞う羽達をくるくると踊らさせていた。 「コハク。お願いだから、もう会わないで」 そこでプツンと、電気が切れて真っ暗になった。 消灯時間だ。 「約束……して」 「うん……」 その日は眠れなかった。 ただただ鼻先をくすぐる白い羽が、鬱陶しく舞っていた。
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