2人が本棚に入れています
本棚に追加
季節は、夏。
なんじゃないかな。多分。
7月って、夏だよね。
とてつもなく暑くって、蝉がうるさくて、体中に生温かい水滴がまとわりつくような、そんな季節なんだよね。
しばらく夏というものを肌で感じていなかったから、覚えてないや。
「ああ、暑いな…」
「はい?」
目の前の友達に怪訝な目で見られた。
「いや、ね。外の人は今頃そんなこと呟いてんのかなぁ、と思って」
友達が小さくため息をついた。
「いいよー……そーいう余計なことしなくてー」
彼女は栗林 千衣(くりばやし ちい)。私が唯一友達と認める人。
「まあね」
「うあ、冷めちょる」
私は神林 黒白(かんばやし こはく)。まあ、変わってるのかな。多分。
ここは学園、といっても他の学校とはかけ離れている。
最初のコメントを投稿しよう!