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誰もいない。 という考えが頭を支配していたから、驚いた。 人がいるなんて。 「ん、誰?」 気づかれた。 私と多分同学年。 顔は、見たことない。 いや実際見たことあるかもしれないけど、覚えてない。 「誰だっていいじゃん」 取り敢えず突っ張るのが私の流儀。 相手が私の顔をまじまじと見つめ、それから悟ったように呟く。 「……ああ。君か。知ってる知ってる」 知ってる? やっぱりどっかで会ったのかな。 「私あんたの事知らない」 「そりゃあ、まあ。ハジメマシテだからね。」 ? 意味不明。 「ハジメマシテのクセになんで知ってるの?」 私の素朴な疑問に彼は口角をくいっと上げて言った。 「知ってるから、だよ。」
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