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「えっ……そりゃあ、見かけはチャラいかもしれないけどきっと良い人だよ」
い、良い人?まぁ、中身は良い人かもしれないけど……。
「……やっぱりダメだよ!美咲がヤクザになっちゃうなんて」
祝福したいけど……相手がヤクザじゃ…ちょっと。
「ヤクザ?確かに喧嘩は強そうだけど優しそうじゃない」
いや、ヤクザだから喧嘩は強いでしょ!でも…優しいかな?
「や、優しいかな?むしろ怖いと思うけど」
そう言うと美咲は少し怒ったような顔になった。
「ひどいよ、姫!そんなに反対するの!?」
まずい……美咲とはずっと喧嘩してなかったのに。
「ち、違うよ!でも……あのヤクザは止めた方が良いよ」
美咲はとうとう泣き出してしまった。
「ひっく……ヤクザじゃ無いってば!スマートでかっこいいじゃない」
スマート?あ、あれ……もしかしてあの超デブのヤクザじゃない?
「…美咲、聞くけど美咲の好きな人って超デブのヤクザじゃない?」
私は美咲の様子を観察した。
「な、何言ってるの姫!そっちじゃなくて私を助けてくれた人の事だよ」
それを聞いて安心した。
「なんだ……そうだったんだ!良かった~」
本当に良かったよ!
気がつけばもう交差点まで歩いて来ていた。
「もう、姫ったら……姫こそ…どうなの?」
どう……って言われても…確かに優しそうだけど。
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