超金持ちのアイツら

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「ハァハァ……疲れた」 やっぱり4階はキツい。 「確かに……でもここから教室分かれちゃうね」 美咲の言葉に、一気に現実に戻された気がした。 教室は一番左から1年A組、B組、階段を挟んでC組に分かれている。 「うん……美咲、一緒に帰ろうね」 「うん、帰ろうね」 そう約束をして美咲はB組の教室に入って行った。 うぅ……本当は同じクラスが良かったな。 私が教室の前で立ち止まっていると後ろから声が聞こえた。 「……じゃま」 何か見覚えのある声だ。 後ろを見ると……なんと、あの時私を助けてくれた人が立っていた。 「あ……あの時は、助けてくれてありがとう!」 これって……まるで運命? 「……俺に構うな」 あれ?あの時と同じ……無口で冷たい。 「ちょっ、待って!あの……美咲を助けてくれた人にも言っといてくれないかな?」 あ……この人、美咲の事知らないかな。 「……美咲?正太郎が助けた奴か」 やっぱり!正太郎……それが美咲を助けてくれた人の名前なんだ。 「そうそう!その人と友達なら伝えてくれる?」 それぐらい、伝えてくれるよね。 「……自分で伝えろ」 ………えっ? それだけ言うとスタスタと教室に入ってしまった。
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