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「大丈夫…だから」
そっと御子が手を握ってきた…だが…
その手も微かに震えていた
俺は、最低だ…
勝手に自分だけびびって あろうことか女の子に慰めてもらって。
本当は…俺よりも怖いくせに…
こんな時こそ男の俺がしっかりしなきゃだろ
それなのに……
「ありがとう」
悠祐は御子をそっと抱きしめた
(今度は…俺が…御子を救うんだ!!)
あの時御子に救われたように…
「様子見てくるから、ここで待っててくれ」
しかし御子は悠祐の服の袖を掴んで離さない
わずかに瞳が潤んでいた
いかないでほしいのか… それとも
一人になりたくないのか
どっちにしろ俺がやるしかない
「大丈夫…すぐ戻るから」
悠祐は御子を説得してまだ見ぬ暗闇の中に走り出した。
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