Spit out

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躊躇わず 煙草に火を付け 肺に吸い込む 一頻り咳き込んだ後 滲んだ空を睨んだ 「嘘つき」 ひとり佇む公園のベンチ 虫も鳴かぬ夜の帳 ちらつく外灯が目に痛くて 喉の澱を地に吐き捨てる もう一度見上げた空に 架かったアーチは紛い物みたい いや違う 貴方のいない世界は 全てがそうなんだ 歪んだ視界 狂ったパース いっそ全てが夢であればいい そうすればこんな言葉は 言わなくて済んだでしょ? 「左様なら」
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