ラベルレッテル、脳と空き缶

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ラベルをひとつ貼り付けた 中身を見なくても分かるように 最初から見ずに貼っちゃったけど だいたい勘は当たってる まあ確かめたことはあまりない たぶん だいたい おそらくそんな感じ 流れ作業で選別してきた じゃなきゃ世の中は処理しきれない いつだって情報はキャパシティオーバー 次へ次へと押し進めてゆく ラベルを貼り付けると同時に イメージが脳裏に貼り付いた 醸造させた記憶をこじ開ける アーミーナイフが必要かい? プルトップはとっくの昔に取れたまま 電光掲示板に踊る文字 「コノ先キケン」ってね 発酵に失敗して腐りかけてる てこの原理で開いてしまおう 放置したって仕方ない 貼ってゆくのに疲れたら ラベルのない缶を生産しちゃえばいい 山積みの缶を片っ端から開いて 中身はゴミ箱に置いて行きな 空っぽの脳で考えるのさ フィーリングが第一 ゼロからスタートさせること 気づいた先に未来があるんだ 貼ったと同時に貼り返されてた レッテルは破って遠くへ捨てた
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