追憶reminiscence

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砂に書き殴った文字を 何も知らない波が拐って 夜更けの月明かり 水面が揺れた 僕の手を食べて 爪に残った黒い砂粒 流れた言葉を追いかけるように たゆたう汐風の中 指先を浸した 沈黙が染みる 灯台の照らす 遥か 遥か彼方 薄れゆく光は星となるため 月を避けて 走って 泣いてた 薄れゆく意識の中 夜は更けて 呼び声は届いたかい 小さく口の中でつぶやいた 答えはまだ無くてもいいさ 次に目を覚ます頃には きっと
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