芽生え

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「あ、あのっ、大丈夫…ですか?」 俺はそのせいでバランスを崩して自転車から転倒…。 くそっ、格好わりぃ。 …でも良かった…。 あと少しで俺は16歳で罪を起こしてしまうとこだった…。 「へ?」 思わず間抜けな返事をしてしまう。 「あ、あぁ…。俺は大丈夫だけど………お前は?」 「大丈夫です。」 「そっか。…よそ見してて…ごめんな;」 「平気ですよ。俺も学校色んな角度から見てて、うろちょろしてたんで。」 あ…こいつ…。 「新入生?」 俺が聞くと、にこっと無邪気な笑顔を見せて頷いた。 「は、はい!」 そっか…。 俺が一言言うともう一度返事をして、今度は恥ずかしげに顔を真っ赤にしていた。 なんとなく…だけど。 ほんの少し可愛い、と思った。 それにしても…こいつ……背たけぇな…。 「歩ーっ?」 母親らしき女性が何やらこっちに向かってきた。 歩…っていうのか…。 俺はその女性が言った名前を何回も頭にインプットした。 ほら、行くよ!時間なんだからっ! そういって二人は小走りで学校へ入っていった。
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