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神八咲高等学校
普通科1-A 教室
俺は辰巳のどうでもいい話を聞きながら教室へと足を踏み入れた。
教室はまだ真新しく全面パールホワイトカラーで塗装された室内はまさに清潔感溢れていた。
俺はは耳にインカムのような機械を付けて学校のメインサーバーにアクセスした。
この時代に開発された携帯端末。
通称『サヴァイブ』
見た目は片耳につけるインカムのような物だが。
従来の携帯やコンピューターよりも画期的で尚且つ使いやつい『新世代の携帯端末』として今やすべての国民に普及している。
サヴァイブを片耳につけ学校のメインサーバーやグローバルネットワークに接続し、脳細胞と量子レベルでの無線通信を行うことで。
仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といった技術が容易に実現でき。
仮想の五感情報を送り込んだり現実の五感をキャンセルしたりすることができる。
俺の目の前にはパソコンなんかのディスクトップにそっくりな映像が写し出されていた。
左横には通話、アプリ、メール、音楽プレーヤー、通販、コミュニティー、などのアイコンが表示されている。
実際はサヴァイブから送られる情報を脳が映し出している仮想現実だ。
「えーと。こっちのフォルダーにたしかレポートがあったよな。」
「あっ!?そういやレポート提出だっけ?」
辰巳が行きなり焦りだす。
どうせ宿題の生物のレポートを忘れたんだろう。
「昨日、話し聞いてただろ?てか、昨日の授業のバックデータをコピーしてなかったのかよ?」
辰巳の顔がだんだん青白くなった。
「その手を手を忘れとったわァ!!!!」
辰巳は悔しげに机を叩く。
ーこいつは頭が良いんだか。悪いんだか。
俺はそんな辰巳を見ながらフォルダーのアイコンをタッチし、生物のレポートデータを生物の先生に送信する。
今のこの世界は新世代型サイバーインターネットプログラム『ヴァルハラ』によって成り立っている。
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