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「紫電・・・悠哉くんか。ん?ねぇ私とどこかで会ったことない?」
突然過ぎた質問に俺は動揺した。
こんな美人な女性と関わりなんてない・・・・よな。
「すいません。多分、人違いじゃないですか?」
「そ、そっか。覚えてないんだ。」
俺は前半ははっきり耳に聞こえたが後半はさっぱりだった。
「今なんか言いました?」
「ふぇ!?いやなんでもないの!」
美女は顔を真っ赤にして焦っていた。
「そうですか。あの貴女の名前は?」
「あっごめんね。私は瀬川朱羅(セガワ シュラ)。学年は二年生。よろしくね。」
ーせ、先輩だったのか。
「こちらこそよろしくお願いします朱羅先輩。」
「うん!新入生だったんだね。わからないことがあったらなんでも聞いてね!それじゃ!」
朱羅はそう言い笑みを浮かべ、階段を上がっていった。
ーあっ。ありがとうございますって言いそびれちまったな。
俺は反対方向に歩いていった。
多分、このときから歯車は動き始めたんだ。
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