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食堂
「なことがあったんだよ。どう思う?」
俺は辰巳ともう一人の友達と昼飯タイムを過ごしていた。
もう一人の友達は少し青い黒髪に眼鏡をかけている以下にも青少年のような格好をしている。
こいつは片岸 直斗(カタギシ ナオト)。
アメリカでの合宿で知り合い仲良くなった辰巳と共通の友達だ。
見た目通り大人しく、優しい。
「うーん。瀬川先輩なら有名だよ?多分、知らない人はいないんじゃないかな?」
直斗はミートスパゲティをフォークで巻きながらさらっと流すように言った。
「そうなのか?」
「うん。辰巳君も知ってるよね?」
よこで黙々とオムライスを食べている辰巳が何やらサヴァブを使い俺にデータファイルを送ってきた。
俺はサヴァブを起動させ、新着メールのアイコンをタッチしデータを表示した。
「何々?朱羅に関するデータ。」
俺は一瞬引いた。
なんでこいつがこんなデータを持っているのか不思議だったからだ。
まぁこのデータによれば
瀬川朱羅。
16歳、神八咲高校二年。
容姿端麗、眉目秀麗で高校のマドンナ的存在。
親はダイバー研究の発案し、電脳世界ダイブ装置『ブレイン』を発明した株式会社『瀬川コーポレイション』の令嬢。
本人は成績優秀で学年トップ。
さらにスポーツ万能で弓道部に所属している。
その実力は全国二位。
ー超人かよ。
他には彼氏歴は0。
ー付き合ったことないのな。
「なるほど。・・・・おい辰巳、一発殴らせろ。」
「なんでだよ!?俺なんか悪いことしたか!?」
辰巳が俺のドスの効いた声を聞き焦っていた。
「このデータ・・・・どう見てもストーカー行為だろ。警察には一緒に行ってやるからよ」
「行くか!・・・あのな悠哉。高校入ったら誰でも調べるだろ?」
「調べない以上。」
「ちょッ悠哉!てか朱羅先輩は無理だって。あの人に立ち向かった男は全員フラレてるからよ!」
ーちょっと待て。
「おい。なんで俺が朱羅先輩のこと好き前提で話が進んでんだよ?」
すると直斗と辰巳が俺を真顔で見て
「「え?違うの?」」
ーユニゾンしたー。しかも直斗もかよー。
俺は思わず顔を歪めていた。
「なわけねぇだろう!!好きとも言ってないだろうがぁ!!」
ーこいつら。ふざけやがって。
俺はそのまま食堂を立ち去った。
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