前語り

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程なくして、彼は転校してしまった。 理由は、エリートをこの世から廃除しようとした彼を、ある一人の生徒が止めさせ、彼を暴力によって学校から廃除したからだ。 先輩は転校の前日、いきなり僕にこう話した。 『ねぇ奏翔ちゃん。』 『僕はね、エリートを皆殺しにすれば世界は平等で平和になると思うんだ。』 『エリートがいなければ嫉妬にかられることもないし。ご飯食べて寝てればみーんな幸せでしょ?』 『だから僕はエリートを皆殺しにする事を生き甲斐にしてていくよ。』 どうしてなのか理由を聞いてみたが、たいした返事はなかった。 どうやら彼にはエリートを皆殺しにする理由や意味は無いようだ。 だからこそ俺は、その先輩に妙に惹かれたのだと思う。 名門高校に入り、俺は先輩が言っていた事を実行した。 移る高校を全て廃校にし、エリートに精神的な大ダメージを与えて。
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