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仕留めれなかった悔いは残るが最低限のノルマは達成できた。
決戦兵器たるディオネはしばらく使い物にならない。
英雄様が暗殺されかけたことでこの国は動揺する。
内部で不信感が生まれ、疑心暗鬼になり、綻びが生まれる。
そして我が国がその隙を突いて、攻め滅ぼす。
くく、笑いが止まらない。
完璧だ。
まさに完璧だ。
これで我が国の大陸統一まであと一歩だ。
見えた。
あの曲がり角を右に行けば、逃走用の小型飛空艇がある。
これで俺は国に帰れば……
男は待ち受けている光溢れる未来を想像して笑みを抑えきれない。
男が角を曲がった瞬間、意識が暗転した。
混乱する意識の中、男は……
「……くそったれ」
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