代行屋

4/4
前へ
/4ページ
次へ
 親には、東京の職場で働く事になったと言っておいた。思いの他、簡単に納得してくれた。  最初は路上で、行き交う人々にアプローチをしてみた。2、3人声をかけてくれた人はいたが、あまり成果は出なかった。  次に、チラシを張り出した。すると、電話がかかってきて、大分客が増えた。  人数合わせ、参拝代行、代行演奏、色々な事をやった。  その中、稀に気味の悪い代行が来るようになってきた。  「時間が無いから、一辺4cmの白い紙を120枚用意していてくれ」という意味不明な者から、「大きい釘を3つ買っておいて、23:00までに〇〇神社に置いていてくれ」というあからさまな者まで。  だが、私は仕事を選ばなかった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加