少女君臨

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ガンッ、と派手な衝撃音の後に背中に痛みを感じた。 …………? あたし、どうしてたんだっけ? ヒリヒリと痛む背中をさすろうとして、自分が固い板のような物の上に居ることがわかった。 腹筋の無いお腹に力を入れて起き上がる。 ぼうっとした頭で周りを見渡した。 一人の男の人が驚いたように目を大きく開いてこちらを見ていて、目が合った。 はっきりしなかった頭が、突然冴えた。 …なんなの、この状況? あたしはどうやら、大きなテーブルの上に寝転がっていたらしい。 目の前の男の人が紅茶を片手にしているから、多分間違いないだろう。 そして、問題はそれだけじゃない。 部屋の大きさが、異常だ。 学校の教室2つ分でも足りないかもしれない広い部屋。 大きな窓からは日差しが差し込んでいる。 内装も、なんだか煌びやかだ。 まるで西洋のお城みたい…。 「おい、お前。何者だ?」 今まで黙っていた男の人が、口を開く。 そりゃあ当たり前の反応だろう。 いきなり見ず知らずの女がテーブルに現れたんだから。 それにしても、変な髪の色だ。 本物の銀髪なんて、初めて見た。 それに、瞳だって赤いし。 その問いに答えを返そうとした瞬間、 バンッ、と大きな男を立てて、扉が開いた。 駆け込んできた男の人は、わたしの前に立った。彼の髪は水色だった。 銀髪はまだわかるけど、水色って…。 ていうか、そこに立たれると、テーブルから降りれないんだけどなあ。 どこか他人事のように、あたしは呆然としながら考えていた。 「ご無事ですか、勇者様!」 …今この人、なんて言った? .
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