始まりの覚醒

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───季節は夏 ジリジリと焼けるような日が射す中、俺は人を待っていた。 今現在11時過ぎ、集合時間は9時だ。 …いや、嫌われてるとかじゃないよ。たぶん。 「おっまたせ~」 やっと来たか、と考えつつ振り向く。 黒髪のショートカットで、小学生のような童顔、水色のワンピースを着ている女の子が居た。 「遅いぞ、智恵」 こいつの名前は古崎智恵(こさきちえ)だ。 「ごめんね~」 二時間も待たしといて、かなり軽い謝罪だ。 「行こうか、楓」 俺の名前は寺本楓(てらもとかえで)だ。 「はぁ、へいへい」 言っとくが俺達は付き合っているわけではない。断じてない。ただの同級生だ。 「どこ行く?やっぱ、デパート?」 俺が言わなくても勝手に進行していく。が、歯止めがきかなくなりそうなので意見を言わせてもらう。 「帰りたいです」 「却下」 ですよねー。
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