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「駄目なの?」
「駄目よ、そんなの」
「どうして?」
「どうしてって……だって、そんなのおかしいし、さ?」
「おかしくても…………だって僕、こんなにも……」
暗闇に響く会話。いつか交わされた言葉。
僕は静かに浮いては、沈む。駄目だ。これ以上は駄目。
駄目、駄目、駄目、駄目。
うっすらと目を開けると、黒板に立つ先生の姿が見えた。ああ、もうホームルームが始まったのか。
窓から差し込む暖かな太陽の光。新たに学校が始まったというのに、僕の心は、時間は、止まったままだ。
妙にぼーっとする頭で、僕はその日を過ごした。最近、ずっと頭がハッキリとしない。
白い霧のようなものがずっと、僕を囲んで、包んで……痛い。頭が痛い。
深く物事を考えようとすると頭が酷く痛む。
何事も無く学校は終わって、何事も無く僕は家に帰った。
父親が居ない僕らの家族。食卓には、母と僕の二人きり。
母と姉さんはいつも会話に花を咲かせてた。僕は特に参加はしなかったけれど、二人の会話を聞きながら時には笑ったりしてた。

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