日常

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最近のアニメやゲームでは、巫女服が流行っているらしい。 究極の萌えに和風の美が絶妙にマッチした、日本の文化の一つ・・・・・・だそうだ。 何でも定番は、白衣に紅袴らしい。 二次元ラブの友人からそう耳にしたことがある。 その友人に語らせると長くなるので省かせてもらうが、大体原稿用紙を最低五枚は埋め尽くすのは必須だろう。 つまり今、それほどまでに巫女服が愛されているということだ。 だが碧乃悠は、そう思ったことなど一度たりともなかった。 というのも、巫女服なんてものは普段の日常から毎日見ているからだ。 なんて考えていると、後ろから大声が飛んできた。 「ちょっと、手を休めないでよ」 「はいはい、分かってますよ」 明らかに不貞腐れた声で、悠は呟いた。 「巫女服の、一体どこがいいのかねぇ」 今悠がいる場所は、近所にある神社の境内。
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