第一章 光の泉

20/30
前へ
/147ページ
次へ
  「だったら、俺に何を────」 「だから!!」  クルリと、リュミエールは身を翻した。流麗な胸を張り、細い腕を目一杯に広げ、自分の全てをさらけ出し、ヴェリアーニへと懇願した。 「だから、"運命(かれ)"の手から私を遠ざけて!」  私を殺してくれ、と。それが、運命から一途に逃れようとする小さな光の、精一杯の台詞だった。  
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加