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「ですよね」、と。ヴェリアーニは視線をずらし、心の中でポツリとそう呟いた。それで話はお開きになった。そう、彼は思いたかったかった。まさか、そんなお約束の展開など期待などしていないというに。
「だから……見てきて?」
「断る」
一蹴。
続けてヴェリアーニは、若干ふざけた今までの話題から離れる為に、そして『どうしてここに自分を連れきたのか』、その理由を彼は彼女に求めた。
「とりあえず馬鹿話は済ませて、本題に入れよ」
「……今のが本題」
彼女はこれを、本気で言っているのだろうか。或いは、彼が本気と捉えるのを楽しみにしているだけの、ただの戯言か。
「はったおしていいか?」
「えっち」
何をどう解釈したのか、予測した未来とは裏腹にどうらや彼女は、彼の事を変態と、そう認識したようだ。
「誰も押し倒していいか、なんて聞いてねぇだろ!! ────ってか、さっさと一人で行こうとするな!! しかも後ろ歩きで────」
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