第二章 未来の嘘偽

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  「貴方にしては上手いこと言うじゃない」 「大きなお世話だ」  口元をにわかに緩め彼を褒めたリュミエールに、気恥ずかしさの作為(せい)か、ヴェリアーニはフイと顔を横に逸らした。  その時、頭上に生い茂る葉の間をくぐり、足元の枯れ葉目掛け小さな水滴がポタリと直下してきた。それに続いて何度も、音を鳴らしながら落ち葉に黒い斑点を形作っていく。   「あ、雨」  
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