第二章 未来の嘘偽

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  「一番星(エトワール)、か」  青白く輝く一番星。太陽が沈みきるその前に姿を現すそれは、このまま見続けていたら、いつかは吸い込まれてしまうのではないか。そう思うほどに美しく、幻想的だった。 「でもね」  くるりと見を翻し少女は、再びその視界にヴェリアーニを捉えた。 「その人は、例の組織の手によって、家族と共に亡くなったのだと、風の噂で聞いたの」  悲しい表情だった。誰が、一体何を意図して、こんなにも小さく、か弱い少女にこのような表情を浮かべさせるのだろう。  そんな彼女を見ていても立ってもいられなくなったのだろう。軽く歯を食いしばり、ヴェリアーニはある一つの矛盾を口にした。 「まてよ!! だけど、お前の能力は他人の未来が見えるって────」  その全ては、彼女がフルフルと顔を横に振ったことにより、途切れさせられた。  そうして物憂げな表情のまま、リュミエールは微かな声で続ける。  
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