第二章 未来の嘘偽

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  「あそこにあるのがアルタイル、織姫だ。で、天の川を挟んであるのが────」 「よく分からないわ」  リュミエールは、彼の解説に割って入り、わざと拗ねたような顔を見せ口を尖らせる。 「だから……良く聞けよ? ほら、俺の指の先にある、天の川にある十字を切った星座があるだろ? あれが白鳥座で────」  その時だ。彼らの見ている前で、本当に一瞬、流れ星が現れたのだ。  説明をしかけたヴェリアーニの言葉はそこで途絶え、彼はあっけにとられたように口を開いている。  そして──── 「み、見たか!? 今の!」 「当たり前でしょ……」  子供のようにはしゃぐヴェリアーニ。  普段の彼からは予想すら出来ないその様子から、彼は本当に星が好きだということが言わずとも知れた。  そんなヴェリアーニに対してリュミエールは、ちょっとした悪戯心から、突然彼に抱き付いた。 「大好き!」 「………………、え?」 「いや……ちょ、ちょっと待て! 俺らは会ってそんな時間がたってない……ってか、何より俺はお前みてぇなガキには────」 「なに焦ってるの? 冗談よ、冗談」  彼の動揺している様子からして、恐らく図星だろう。鈴蘭畑のことといい、彼は嘘をつくことが苦手なのかもしれない。  リュミエールは無邪気にはにかみながら、そう思う。 「………………、この女……」  恐らく、その考えは間違いではないだろう。それは彼の、上気した顔からも見てとれた。  夜の闇のせいで、それがリュミエールに知れることはないのだけれど。  
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