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「今夜9時、ホテル・みぃとんへ行ってみて。」
「はっ??」
無理矢理握らされたチラシには たった一言
【あなたの望み かなえます】
なんだ?これは?
くだらない。
俺はチラシを丸めて捨てながら、ふと 手を止めた。
【ホテル・みぃとん】
だって!?
俺のホテルじゃないか。
俺はみぃとん興業のトップ。
若くして立ち上げた【ミート商会】を、たった一人で発展させてきた。
何故か、俺は社長ではなく【キング】と呼ばれている。
娯楽施設、ホテルチェーンなど、みぃとんグループはすべて順調だ。
ライバルを蹴落とすためには 随分ひどい事もした。
気に入らない奴は、穴を掘って埋めたりもしたし、面白半分で、身体中に餌を貼りつけて、エミュー牧場に放り込んだりした。
経営が順調になり 金があふれてくると、いくらでも 女は寄ってくる。
だが俺は 独身だ。
結婚なんてものは まるでするつもりもない。
そんな俺の頭からは、最近、ある言葉が離れない。
《不倫》
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