さようなら

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「今日もやっと終わったね優示♪」 夕暮れ空のしたに明るく彩る街中を寄り添うように歩くフツーのカップルだった。 「確かにな~。今日祐梨香らのX'mas演奏会サイコーだったよ?特にあのソロフルートが…かな?」 からかいつつ手から感じる温もりが顔に表れていた。 「ホントー!?結構練習したんだよぉ?」 と手をひっぱられ倒れかけた。 「おーっと、もー危ねーな。」 二人とも爽やかな笑顔だった。 祐梨香は吹奏楽部でフルートを担当していた。小さい頃からしていたらしく、以前放課後に公園で頼んで吹いてもらった時の音色は、今でも耳から離れない程上手かった。 夕日に照らされく粉雪が輝きながら舞いはじめた街中には、カップルや仕事帰りの会社員や学生等が忙しく右往左往してた。でも俺らの時間はゆっくり、温かく流れてた… 「今日も寒いね。」 と手をぎゅっと強く握る祐梨香の手を握り直した。 「確かに寒いな。早く家帰ろうぜ。」 空に白い息を作って遊んだ。 「…あ!今日優示のお家行っていい?渡したいものがあるの…」 祐梨香は少し照れてつつも優示の目を覗くように見ている。 照れて祐梨香から目を反らしつつ優示も 「いい…」 「そこどきやがれ!!」
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