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そしてそして――
「ほら、和泉?」
隠し持っていた袋の1つを、和泉に手渡す。
「?」
可愛い姿で、可愛く小首を傾げる和泉は、渡された袋をがさがさ開き、中を覗き込んで、
「!!」
びっくら仰天した!
「か……何で!?」
信じられないと言った顔して、袋の中身を取り出す。
和泉の手には、完売した筈の『みーちゃん鳴き恐竜』が!
「か、和美……」
はい、そうです。
わたしが、『完売』の犯人です。
「ふらふらしてるから、心配で先に買っておいたのよ!」
和泉って、いつも詰めが甘い。
今回もそんな事になったら可哀想かなと思って、着いて直ぐに土産売り場に来たのよね?
そしたら案の定、完売寸前だった訳。
わたしが買って、完売したのよね。
「和美ちゃん、流石だね!」
真澄が、わたしを誉める。
「和泉と違って、和美は抜かり無いな」
李杜、それでも、誉めてるつもり?
あんたに頼まれたムービー、今すぐ消すわよ?
「失礼しました」
ペコリと頭を下げた李杜と、
「よし、許す」
偉そうに返すわたしを、驚いて見詰めるちびっこ二匹。
勿論、和泉と尊の2人。
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