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「か、可愛いのは、大丈夫です……」
ぼそぼそと、宏は答えた。
成る程。
だからホワイトタイガーの餌やりを、拒否ったんだな？
「なら、このほのぼのコーナーなら大丈夫だな？ 居るのはほのぼの動物……」
いや、待てよ？
さっき李杜の奴、ワニが居るとか蛇がどうのとか言ってた様な気がする。
慌てて案内図を開けば――何故だ？
何故ほのぼのコーナーに、ワニやら蛇やらバイソンが居る!?
くくりがわからんぞ、動物園！
すがる様に俺を見上げて来る宏に、何と言ってやったら良いのやら……？
誤魔化すか。
気を反らすか。
後者、だな？
「リスザルも居るぞ？ アライグマ、ラクダそれから……」
オットセイ？
水陸両用か？
なんか、行き当たりばったりの作りだなぁ。
「苦手なのは、避けとけ。 可愛いのだけ、見ような？ ひよこやウサギに触れ合えるコーナーも有るらしいし」
何故か、どきどきコーナーにだが。
まあ、行くか。
進み出した俺の服を、宏がきゅっと握ってきた。
懐かれた……
助けを求める様に宏の幼馴染みを見やれば、李杜と蛇談義を始めてた。
友明も蛇好きか、楽し気だ。
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