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「大丈夫大丈夫、ひろくんはたく兄に任せて、ほら行くよ?」
次はカートだ、とか喚きながら、友明の手を引いて行く。
わいわいガヤガヤぞろぞろと、皆で楽しく遊園地を堪能していく。
復活した宏も、ワンテンポずれてはいたが、皆に合わせて楽しみ出した。
固かった笑顔が、とても自然に浮かぶ様になった事からも、楽しんでいると伝わってきた。
最後に乗ったのは、観覧車。
辺りはすっかり暗くなり、綺麗な月がぽっかり浮かんでいる。
俺と乗り合わせた宏が、目をキラキラ輝かせながら、
「たく兄、たく兄!」
俺を呼んで、夜空を指差す。
宏も友明も、ついでに他のメンバーも、すっかり打ち解けて、『たか兄』『たく兄』と兄さんと俺を呼ぶ様になった。
弟が、一気に増えた。
妹のが、良かったなぁ。
和美しか居ないもんなぁ。
残念。
宏が指差した夜空に、賑やかな音をたてた花火が上がっていた。
次から次へと、大輪の炎の花が咲く。
「綺麗だなぁ」
ボツりと、仁が呟いた。
頷く友明が、思い出した様に俺を見て、ペコリと頭を下げた。
慌てて、宏と仁も頭を下げる。
こいつら、可愛い奴等だな?
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