アキバへ 行こう! 和泉、1人でお出掛けするよ?

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独特の香り漂う建物に、一行は入って行く。 更に、ぞろぞろ付いて来るギャラリー。 一気に賑やかになる館内。 を、足取り軽く和泉が行く。 鼻歌でも歌いそうな程、尊の『ご機嫌』機嫌の上を行く、超ご機嫌で。 あっちへトコトコ、こっちへテクテク、落ち着き無い程元気に、和泉は進む。 そして―― 「憧れのお土産コーナー!」 パフパフ♪ ドンドン♪ 1人ではしゃいで、1人で煽る。 そして―― 「あ゙あ゙……」 1人で嘆く。 土産売り場コーナーの一角で、この世の終わりとばかりに泣き崩れる和泉。 そんな和泉の前には、 『好評につき、「みーちゃん鳴き恐竜」は、完売致しました!』の張り紙が! 和泉、屍と化す。 「ほら、ほら、いっちゃん!」 慌てて尊、手近なぬいぐるみを握って、和泉の眼前に差し出す。 「このT-レックスも、可愛いよ? ほらほら、お腹を押したら、ベロが出るよ?」 ぷしぷしぷしぷしぬいぐるみのお腹を押して、尊は言う。 「そうそういっちゃん! こっちも、可愛いよ?」 別のぬいぐるみを手にして、真澄も和泉の機嫌をとろうとするが、和泉は益々項垂れてしまう。
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