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「いっちゃん、ほらほら!」
恐竜型の棒付きキャンディーを振り回しながら、ロックも和泉の気を引こうと必死だ。
が、
「赤青黄色、緑に紫――紫!? 紫の恐竜キャンディー!? あ、意外と可愛い♪」
ロック、和泉を忘れて、いそいそとレジに向かう。
おい😠
「いっちゃん! これこれ!」
孝哉がキラキラ光る、恐竜型のストラップを翳して、和泉を呼ぶ。
チラリと、和泉は孝哉を見やる。
「ほら、綺麗だぞ? 俺が買ってあげるから、機嫌を治して!」
「本当!? あ、じゃあ俺、これが良い!」
にぱっと笑って孝哉にストラップを握らせたのは――
――尊だった。
「たけちゃん……」
ちょっと呆れながら孝哉は、尊を見下ろす。
「いっちゃんだけなんて、狡いもん!」
俺も欲しい、と駄々を捏ねる尊に、孝哉は苦笑した。
そして、落ち込んだままの和泉。
仕方無いなぁ!
「和美ちゃん?」
怪訝そうにナレーターこと、わたくし・和美に声を掛けてくる尊。
はい、実は、ずっとわたしがナレーションをやって、同行しておりました。
つまりこの一行には、本物の美少女が1人居たのです。
えへん!
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