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「和美ちゃん、いつの間に李杜と仲良くなったの?」
びっくり眼で、尊が訊いてくる。
「いつの間にって、あんた何言ってんの?」
逆に訊き返してやった。
「わたし、李杜とは入学直後から知り合いよ?」
と、当たり前な事を答えれば、
「ああ、そっかあ」
ボケ兄貴の和泉が、ニッパリ笑って呟いた。
「和美も李杜もクラス委員だから、だよね?」
あら、和泉にしては、随分早く気付いたわね?
「そうよ」
正解した和泉の頭を、偉い偉いと撫でてやる。
「委員会で顔合わせするうちに、かなり親しくなったな」
と李杜も言う。
「同じ委員で隣りのクラス、しかも伊織の親友の1人。 親しくなって当然でしょ?」
ねぇ?
ふれば、李杜は素直に頷く。
「えー、なにそれ!?」
真澄が、喚き出した。
「2人がそんなに親しかったなんて、俺、知らないよ!?」
「教えてないしな?」
当然だと、李杜は言った。
「隠す必要も無いでしょ!?」
食い下がらない真澄に、李杜は苦い顔になる。
「態々、吹聴する事でもないだろ?」
あっさり冷たく、李杜は言う。
だからって、とかなんとかぶつぶつ呟く真澄。
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