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「俺もライバル!」
パクリとたこ焼きを食べつつ、尊もロックに言い放つ。
「なら、俺も」
孝哉も便乗。
「なっ!?」
ロックは絶句。
「あと、とーくんと真澄ちゃん、そうそう友明の弟のむーちゃんも、いっちゃんを狙ってるからね? ロック、ライバル山程いるよ~♪」
ニヤリニヤニヤ、意地悪く尊が言う。
「いっちゃん~! たけちゃんが、苛める~!」
あっさり和泉に泣き付くロックは、どう見ても『弟』だ。
「あー、はいはい。 可哀想にねぇ、ほらほら良い子だから泣かないの」
そう言いながらロックの涙を拭ってやる和泉は、兄どころか姉。
いや、母親だぞ?
ロック、断言するが、お前の恋は絶対成就しない!
💔
だよな、狛うさぎ?
振り返った鳥居の側で、ちょっと可愛さから離れた狛うさぎが、
『きゅきゅきゅきゅ♪』
と笑った様な気がした。
わいわいガヤガヤ、賑やかな神社を後にする。
まだ除夜の鐘が、何処かの寺から聞こえてきていた。
おめでとう!
また1年、宜しくな?
前を歩く皆に、俺はそっと声を掛けた。
終わり
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